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木魂(こだま)との対話
(2025-, 制作中 )

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私が巨樹に出会うと、いつもその存在に引き寄せられる。張りめぐらせた根は、静かに大地のエネルギーを吸い上げ、太い幹に蓄えているように見える。やがてその力は目の前に立つ私へと穏やかに流れ込み、私はそのエネルギーに包まれるように癒されていく。

幹に宿る目に見えない力は、まさしく「木の魂」なのだと感じる。そして私が木を対等な存在として受けとめ、心を開いて敬意を捧げたとき、木もまた、静かに応えてくれる。それは言葉を超えて、魂と魂が交わる確かな対話なのだ。

哲学者マルティン・ブーバーは「私は木を見ている。それは『それ』であることをやめ、『汝』となる」と語った。対話とは、相手を尊重し敬意を捧げることに始まり、信頼に満ちた真の関係へとつながる尊い行為だと私は確信している。

私は社会において対話が必要な状況を多く見てきた。今の時代こそ、相手への敬意と対話が必要な時だと感じている。

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